2017年05月23日

15年ローンの功罪

★さて、もしアパートを売却すれば、そこそこの金額の利益が確定できる状態である、と書きました。これはすべての物件が15年ローンであったということ、高値で売却出来る環境にあること、に尽きます。15年ローンで10年超返済して、買値かそれ以上で売れれば、結構な手残りが見込めます。もっとも普通はもっと返済年数を多く取るでしょう。そうしないとキャッシュフローが見込めませんから。。これは特殊な事例です。実際、築古狭小木造ワンルームアパートであった福岡1号の運営には大変な苦労をしました。

★そもそも私は節税を目的にアパート経営を始めました。築古木造とくれば、税金に詳しい人ならピンとくるでしょう。そう、短期で減価償却が取れるのです。五棟十室以上の事業的規模で個人事業として、青色申告を行い、かつ短期で多額の減価償却を計上し、勤務業による給与収入と損益通算を行う。。。当初の問題は融資付けでしたが、なんとかクリアし、2006年より賃貸経営をスタートしたわけです。

★少々の修繕はOK,経費計上もしくは資産計上して減価償却しました。そもそも不動産事業によるキャッシュフローを想定していなかったんですね。。。この手法を採ると、給与所得の額とのバランスが大切になります。不動産事業をあまり大きく出来ません。また、手残りは本当にたいしたことはありませんでした。時にはキャッシュアウトの月もありました。最大の危機は、当初からわかっていたことですが、減価償却が7年で終わってしまった後のことです。福岡1号単体ではいわゆるデットクロスに陥り、キャッシュアウトが以後ずっと続く事になったのです。想定の範囲内でしたが、給与所得がなければ考えられない事態でしょう。。

★月々のキャッシュフローが得られない、じゃあ何のための不動産投資か?といえば、手元にキャッシュは残らないものの、短期ローンのため返済はかなり進んでいくわけです。したがって、最後にそこそこの値段で売却出来れば、最後にドンと利益が返ってくる、というわけです。売却価格と帳簿価格の差に譲渡税がかかってきますから、減価償却分を吐き出すじゃん、と思われる方もおられますが、個人の最高税率50%と比較しますと、長期譲渡税は21%。半分以下です。その差額分は手残りが増えるのです。

★10年そこそこの投資で数千万が残るのならいいじゃん、と考える方もいらっしゃると思いましたので書いてみました。実際はある程度の資産なり不動産収入以外の収入がないと、かつ、高値で売れるときに売却出来るチャンスがないと、15年フルローンでの築古アパート投資は、ある意味自殺行為です。アベノミクス以降、ここまで我慢できた従来の不動産投資家は、救われたと思います。ただ、今から始めるのは厳しい可能性が高いのではないでしょうか?
posted by est at 00:36| Comment(1) | TrackBack(0) | アパート経営 | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

売りたい欲求

★今を去ること10年以上前。。私が福岡1号(売却済)を購入する以前のことです。確か北海道の大家さんでしたか、”もうアパート経営は終わった”と言って、所有しておられた物件を次々と売却されていたのをブログで拝見致しました。確か最後の1棟まで売り切ってしまわれたと記憶しています。

★当時、アパート経営に参入しようとしつつ、なかなか前に進めなかった私は、”なんともったいないことを!!”と思っておりました。福岡1号、北九州物件、戸建て、と購入したところで、起きたのがリーマンショックでした。。その方の読みはズバリ的中したのです。その後の不動産氷河期で、物件をあらためて購入されたかどうかまではわかりませんが。。。その不動産氷河期に、私は管財物件を買い増しました。

★巡り巡って、今私は、その大家さんの立場に立っているのかも知れません。。物件の規模は比べるべくもなく、私は弱小小規模大家ですのでおこがましい話ではあるのですが、もうアパート経営は終わった、と本気で思っていますしね。すべて売り払いたい欲求が沸々と沸いてきているのです。

★昨年来、福岡1号、戸建て、と売却してきました。残るは、北九州物件と管財物件です。この2物件の借入金をすべて返済できるキャッシュは手元にあります。売却した福岡1号のおかげです。だから、ほとんどリスクはないのです。にも関わらず、売りたいのは何故でしょうか?

★売却することで数千万のキャッシュが手元に残ります。つまり利益確定です。目の前にキャッシュがあって、今を逃せば大きく目減りするかも知れない、さてどうします?売りたくなりますよね。。しかし、それは、年間何百万もの利益を生み出す”金のガチョウ”を絞め殺すことで得られる利益です。うーん、やっぱりもったいないかな、と思いますよね。。特に北九州物件は、手を入れて修繕して見違えるようになったばかり。。うーん。。

★結局の所、私の場合は、ここで売却、でも、保有し続ける、でも、どちらも正解だと思っています。この2物件は、建物部を法人所有へと変更しました。結局の所、賃貸収入を、法人という枠組みで節税することができる以上、デットクロスもありませんし、保有し続けてもよい、と判断しました。といいながら、目の前のキャッシュも欲しいのですが。。。この自分が、売りたい欲求に悩まされる時が来るとは思ってもいませんでした。

★こんな時代がまた来るのか、消え行く前の最後の輝きなのか。。いずれにしろ、未来はあまり明るくはないと思った方が良さそうではあります。。
posted by est at 00:58| Comment(0) | TrackBack(0) | アパート経営 | 更新情報をチェックする